ブログコンテンツバナー
『マルセル』還元剤図鑑

2015/11/01
新美容出版『マルセル』の特集「還元剤図鑑」を担当!

2016年1月にサイエンス志向の理美容師向けの専門誌『マルセル』は、『美容と経営』と統合し、新たに『経営とサイエンス』として再出発します。

 編集長の細田氏からの依頼は、最終号にふさわしく還元剤をテーマに、十年くらいは読者が持ち続けるようなものということでした。
細田氏と何度も打ち合わせを繰り返し、還元剤図鑑という題目で、現在パーマ剤で使用されている7つの還元剤を、①科学的な実験データとビジュアルイメージ、②ウィッグでの検証、③実際のモデルでの応用編、の三方面から還元剤を浮き彫りにしようということになりました。

  弊社では2014年1月号12月号の『マルセル』に還元剤パワーグラフというものを特集の中で発表したのですが、これは各種還元剤のウェーブ効率をpH別に健康毛と損傷毛で実験し、それをグラフ化したものです。これは膨大な実験によるもので、おそらくそれまでこれだけ詳細に還元剤どうしの違いを、理美容技術者に役立つ形でグラフ化されたことはないと思います。今回の還元剤図鑑では、このデータに加え、還元時に引っ張り荷重を加えたときの破断強度のデータを加えてあります。この実験にも膨大な時間を要しましたが、ワインディング時のテンションなどに疑問を持つ技術者への一つの回答になったと思います。

  細田氏との話し合いの中ではまた、各還元剤を色にたとえると何色になるだろう、還元剤の分子模型を載せると背景はどんな画像が良いだろうかという話題で盛り上がり、私の勝手な想像を絵にしました。
システアミンは海洋生物にたとえるとシャチ、スピエラは映画にたとえると『2001年宇宙の旅』など、妄想を膨らませて行ったら、細田氏もあきれ、「今回は亀ヶ森さんと心中です」と言われてしまいました。ちなみに画像をつくるために今回主に使用したソフトはLightwave3Dで、国際宇宙センターのモデルはNASAが公開しているもの、シャチのモデルはDaz3Dで販売されているものを利用しました。それ以外はすべて一から作りました。自画自賛ですが、私が一番気に入っているものはシステインの画像です。

  また各還元剤を酸性とアルカリ性で、健康毛と損傷毛の縮毛矯正に使用したらどういった結果になるか?これをクセ毛を模したウィッグNAOMIで検証しました。この実験は、私が主宰する理美容師さんとの勉強会PCMで1年以上にわたり検証を繰り返してきたものです。今回のウィッグによる施術もPCMのメンバーである北九州Sophiaの平川博之さんとPCM大阪のメンバーに行なっていただきました。
さらに、実際のモデルでの応用編も平川さんにお願いしました。皆さん、限られた時間の中で、また緊張を強いられながら、この30ページに及ぶ特集を成功させるために大変な努力をしてくれました。

 できあがった誌面は、細田編集長まで「ほかのどこでも見ることはできない永久保存版」と言うほど、高レベルで異彩を放つものになりました。パーマを極めようとする技術者であったら、常に手の届くところに置き、お客様の施術法を考えるときの参考にしていただけたらと思っています。
 この『マルセル』最終号は売り切れ必至だと思いますので、興味のある方はお早めに担当のディーラーさんにお尋ねください。

(*) 協力していただいた方々(PCM):平川博幸(Sophia)、吉川高志(Yoshikawa)、正木裕久(je nais)、中島秀樹(Rocket)、石野有紀(Wise Gallery)の各氏