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西郷先生セミナー

2006/02/15
西郷和彦東大教授の有機合成化学基礎講座が開かれました。

 2月15日に本社2Fエルコスセミナールームにおいて、西郷和彦東大教授の有機合成化学基礎講座が開かれました。
西郷先生は、弊社代表亀ヶ森の埼玉大学時代の恩師で、東京大学の工学系研究科化学生命工学専攻(本郷キャンパス)および新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻(柏キャンパス)の教授です。不斉合成およびC60フラーレン官能基などに関する有機合成化学分野の世界的権威です。
先生は、2005年度の有機合成化学協会賞の受賞者でもあります。受賞の対象業績は、「光学分割機構の解明と非天然型不斉補助剤開発への応用」であり、有機合成化学協会によれば受賞理由は、「西郷氏は、キラル有機結晶生成原理の解明に関する研究を基盤として、従来の試行錯誤から脱却した光学分割を実現する指針を提唱し、光学活性化合物の大量調製法の開発について先駆的な研究を活発に展開すると共に非天然型不斉補助剤の開発に大きな成果を挙げている。」とあります。

先生はまた現在附属図書館の館長も兼務しておられ、超多忙なスケジュールのなか、私たち少人数で頑張っている研究開発型ベンチャー のために快く基礎講座を引き受けてくださいました。 講義は、原子間に働く電子の挙動を中心に進められ、私たちが日頃実験で使用する還元剤や界面活性剤なども例に挙げて説明して頂きました。合成化学を離れた、日常の分析業務などの疑問点などの質問についても貴重なアドバイスを頂きました。
講義後は先生を交えて皆で食事会をする予定でしたが、大学から緊急の呼び出しがあり、慌ただしく帰られてしまったことが残念でした。

[講座内容]

  (1) 有機化合物の分子間に働く力
  (2) 有機化合物の反応性を決定する因子
     ① σ結合電子分布の偏り(I効果) ② π結合を通した共鳴(R効果、M効果)
  (3) 反応性決定因子
     ① 電子的因子 ② 立体的因子